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はじめに 〜自他共生の精神〜 ラテンアメリカでは、あらゆる人種や国籍の人間が自分のアイデンティティを自覚し、自分の生き方やスタイルを模索しながら、夢をもち、人生を前向きに生きています。個人個人がちがっていて当たり前として受け入れられ、隣の友人はスペイン系、こちらはドイツ系、そしてこちら原住民系でそれぞれの国自慢をしあい、そして伝統的お祭りが入れ替わり競争して行われる。ここは日本と対照的なものが多く、日本の常識が壊されてしまう感覚があります。 私は、1968年に11歳だった時に両親につれられて南米パラグアイに移住し、小学校から大学までパラグアイとアルゼンチンで教育を受けた日系ラテン人(1世)です。 1989年に日本に帰国し、その後国際協力の仕事でラテンアメリカに派遣される仕事に従事してきました。主に国際協力機構(JICA)の派遣専門家としてODAの仕事に従事しながら平行して個人的にNGO支援のボランティア活動もやってきました。 そこでの各国の習慣や感覚になじんでいく一方で、自分の日本人としてのアイデンティティに目覚めさせられ、日本人として生まれたことに誇りともつようになりました。私を日本人として受け入れてくれたラテンアメリカが大好きです。そして私の祖国である日本にラテンアメリカの良いものをどんどん取り入れ刺激と元気をもらい、また日本の良いものをどんどんラテンアメリカに伝え、自他共生の国際関係に少しでも役にたてればという気持ちからこのホームページを立ち上げました。 グローバル化する新世紀の時代にすべての国や民族が学ばなければならないこの「自他共生の精神」についてラテンアメリカはすばらしい手本を見せてくれます。 あなたも新しい時代に向けての考え方と気持のあり方をラテンアメリカで体験してください。
ラテンアメリカ開発支援ネット
伊藤玄一郎 ![]()
ヒデキ・ラティーノの「ラテン・アメリカという世界」より
ここ数年、われわれの住む日本では、国内経済の悪化により、将来への不安が蓄積され、閉塞感に包まれています。特に経済の現場である企業では、アメリカ型の効率主義、合理主義の波が吹き荒れ、日々大きなストレスを感じている人も多いと思います。企業の倒産やリストラ影響で失業の憂き目をみる人々、リストラ後の少数精鋭化に伴い多忙を極めるサラリーマン。オフィス街で行き交う中年サラリーマンの疲れきった姿は、ある種の悲哀を感じてしまいます。しかし、更なる問題は、この暗い雰囲気は、若い世代に伝染し、家庭崩壊、青少年犯罪や陰湿なイジメなどを助長し、日本社会全体が歪んできていることです。世代間で生き生きとした会話が交わされなくなり、その溝は深まっているように感じます。 若者は中年世代に対し、魅力を感じられなくなり、中年世代は若者の考え方を受け止めるだけの包容力がなくなってきています。このままでは、日本という国は滅んでしまうのではないか? 私も数年前まで、サラリーマン生活を送っていましたので、この日本の病ともいうべき状況を実感し、そんなことを考え、悩んだ時期がありました。それでは、この状況を乗り越えるためには、何が必要なのだろうか?明るい未来に向けて、自分は何ができるのだろうか? こんなことを日々考えていたころ、ラテン文化というものに出会いました。福岡在住のラティーノ(ラテンアメリカの人々)たちとの出会いから、彼らの考え方、更にはその歴史的・文化的背景というものに興味が膨らんでいき、貧しくても人生を楽しんめる心の豊かさ、人懐こさ、家族や友達を思いやる愛情深さなどの人間的な魅力が、彼らと共有する時間が増えるにつれて、見え始め、今までとは全く異なった価値感というもの。 ひょっとすると今の日本を救えるのは、ラテン的思考性ではないだろうか、と思うようになりました。その結果、昨年2001年3月で退社し、約一年に亘り、ラテンアメリカ9カ国を歴訪してきました。現地で、ラテンアメリカの国々の強烈な個性とさまざまな多様性を持った文化に対する驚き、そして何よりも人生を楽しんでいる人々の笑顔。また、一方でどうにもならない貧富差と、不公平な社会。良いところ、悪いところともに垣間見ることができました。 そこで感じたのは、いかに日本にラテン世界の情報が伝わっていないかということでした。まだまだ、日本は国際化していない、せいぜいアメリカ化を国際化と呼んでいるに過ぎないという感覚でした。 広大な北米、アメリカ合衆国の先には、驚くべき質の高い文化と、私たち日本人の社会とは全く異なる価値観をもった社会が存在していたんです。 |