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パナマ人について
SOBRE LOS PANAMEÑOS

これは作者の独断と偏見で書かれたものです。


写真:パナマの主要産業である運河管理に従事するエリートサラリーマン。

    外国へ行って仕事をしたり、暮らしたりするときに大切な事はその国の人間と歴史を知ることであろう。  国民性、民族性、宗教、宗主国等を知ることが、その国の人間と旨くつき合うための必要条件である。  特にパナマ人は中米ラテン人であるが、少し特殊な歴史的背景から特殊な人種構成をもっており、性格も特殊である。

    パナマ人のルーツ:海賊相手のスペイン商人

     パナマは、黄金の国ジパングを目指して東洋への海路を開こうとするコロンブスに続いてやってきたスペイン人探検家たちがこのパナマ地峡から大平洋への出口を作り、金銀財宝を求めてメキシコやペルーへ出征するための拠点として大平洋側にパナマ市を築いたことが起点となっている。 また植民地政策が始まるにつれ、ぞくぞくと新しい大陸へ夢をもってやってきた開拓者たちの宿場として栄え、そして大平洋沿岸から運び込まれるインカやマヤ文化の分捕り品財宝のおこぼれなどで潤った町となった。 これは19世紀アメリカ西部のゴールドラッシュの時にも大陸横断鉄道が建設されるまでは、アメリカ東部から西部へ行くための重要な拠点となった。こういった経緯の中で、商売やいろいろなサービス業を行うスペイン人商人が富みを築いたがこの中には、コロンブスの遠征と同時に始まったスペインでのユダヤ教徒追放令による隠れユダヤ人たちの進出があり、彼等の影響もあり現在のパナマ人商人の伝統を作った。 彼等は、自ら財宝を求めて危険をおかすことはせず、金銀財宝をもつ人間を相手に商売をすることで、安全な繁栄の道を確立した。




    挨拶の習慣

    パナマのある新聞の社説で、「われわれパナマ人は挨拶のできない人間なのにどうして観光事業で稼ごうなどと考えることができるのだ」といった話が書いてあったが、確かにパナマ人は挨拶とお礼ができない。  これは特に田舎の人間や下層階級の人間に見られるが、私はパナマ人はシャイなんだとかたずけている。 パナマ市内で挨拶する人間はユダヤ系やインド系、アメリカ人など限られた人種であるが、最近はサービス業における品質管理の教育が熱心で、スーパーマーケットのレジなどで「Buenas Tardes」などと挨拶されたりするが、え、どうしたんだと驚いてしまうことが多い。
    ラテン・アメリカで一般には「コモ・エスタ・ウステ?(How are you?)」と挨拶すると、どんな状況にあろうと「ムイ・ビエン!(Very Good!)」と返ってくるのが普通であるが、 パナマでは「マス・オ・メノス (More or less)」とか「バスタンテ・ビエン (So, so)」などと、大阪商人の「もうかりまっか?」「まあまあでんがな」といった挨拶によくにたやりとりをする。

    アミーゴになるのが難しいパナマ人

    南米のラテン人は一般に外からきた人間をもてなす習慣があり、特に田舎ほどこれが極端である。 たとえば、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、チリ、ブラジル南部等では、マテ茶を回し飲む習慣があり、 これを出された時にうまく受けられれば、とたんにアミーゴになってしまう。 すると今度はアサード(家でやる焼肉パーティー)にも招かれる。なにか後でこわいことでもあるのかと心配したりするが、彼等はなにも見返りなど期待していない。 アミーゴには無条件でサービスするのが伝統だ。
    しかし、パナマ人は性質が全然違う。 まず田舎の人間はよそものを警戒する。 町の人間は公務員でも商売根性は見せてなにか利用することは考えるがサービス精神は皆無だし、ましてやアミーゴにしようとはしない、商売ができなくなるからだろう。  その点ではまだ、本職の商人のほうがお客さんに対するサービス精神があるので、それなりに付き合い安い。
     

    多民族性について

    一般には、世界の人々を、農耕民族、狩猟民族、そして遊牧民族に分けてそれぞれの国の民族性をよく区別しようとするが、多様な先住民と後から入ってきて住み込んだ多国籍の開拓者や移住者で形成されている新大陸の場合、特にラテン・アメリカ諸国のような多民族国家ではそう簡単にその国の人たちについて性質を述べることは難しい。


    パナマの場合はまず人種構成からいって、黒人・白人の混血が70%、黒人13%、白人9%、インディオ7%、中国系1%、インド系0.4%となっている。  この中で、中心層を占める黒人・白人の混血人種は、主にサラリーマンと労働者階層そして一般農民を形成している。 黒人はもともとパナマ運河建設工事に世界中から色々な人種が集まった時にジャマイカやハイチ等のカリブ諸国から来た労働者たちの子孫である。 彼等が体力と病気に対する抵抗力で一番の主力となった。 また、地方によっては(Chiriqui, Santos, Herrera, Cocle, etc.) 混ざらないスペイン系も多く、こういった保守的スペイン系パナマ人が政治界や実業界を牛耳っている。 また、少数派として白人の1部を占めるユダヤ系が当国においては金融業や貿易業を営みつよい経済的影響力をもっており、家電販売ではインド系の進出が目覚ましく、食料品店や小型大衆食堂ではどこにいっても中国系がほとんど押さえている。  隙き間産業にアメリカ人が結構入り込んでいるのが見受けられるが主に運河委員会や米軍関係への出入り業者かまたはアメリカ人相手の商売人である。
    町中でよく誇らし気に民族衣装をきたインディオたちが目に付くが、パナマにはハッキリと違った風習、伝統を維持する7の部族がおり、インディオの自治地区として5の広大な面積の「コマルカ」が分けられている。 
    それぞれ各民族の結束はかたいが閉鎖的ではなく、民族間の対立もまったく見られず、うまく共存しているのが感じられる。



    食習慣

     中米地域の主食はメキシコのタコスに似た、トウモロコシか小麦でつくったトルテイージャ(具の入らないお好み焼きみたいなもの)が一般であるが、どういうわけかコスタリカから少し多様化が見られ、パナマに入っては完全に米食文化になっている。 パナマ人は炊いた白い米を一日に一度は食べないと調子が悪いとよく言う。 私が以前長年住んでいたパラグアイではインディオ文化の遺産で、キャッサバ(イモの一種、南米ではマンディオカ、中米ではユカと言う)を伝統的主食とし、ヨーロッパ移民の国アルゼンチンではパンがないとスープも飲めないというパン食伝統があった。 それからいえば、パナマは日本人に馴染め易い食環境がある。 パナマ人サラリーマンや労働者に家から弁当をもってくる人間をよく見かけるが、決まって白い御飯にチキンや魚がのっている。 ただ、パナマ人の御飯は堅いし、日本米にはかなわないので日本人サラリーマンはカリフォルニア米を買って食べている。 ここでは日本人が米文化を自慢できないほどパナマ人も米にはプライドをもっている。 日本に技術研修にいったパナマ人が日本に着いて家族に電話で「日本の米はたきすぎでシンもなくしてしまい、食べた気がしない、パナマの米が恋しい」と嘆いていた。 イタリア人のスパゲッテイにもっている「al diente」のようなこだわりがあるらしい。(アホか、あんなやつを日本にやるんじゃなかったと、私は後悔した。)

    ラーメンを食べるパナマ人

     実は私は新幹線で九州までラーメンを食べにいったことがあるくらいもの好きなラーメン党であるので、米にこだわる対抗意識は持たない。 南米では、「この暑いのになんであんなものを食べるんだ」とみんなから変な目で見られながらも、「こんな美味しいものを知らないとは人生の楽しみが50%低いやつらだ」と思いながら行く先行く先でラーメンを食べ通した私の情熱と信念(?)がある。 しかし、パナマに来て驚いたことが、なんとパナマ人は食堂にいってラーメンを気軽に食べるのだ。 これは私が育ったパラグアイでは「内山田」とか「広島」とかいった上品な日本料亭で1部の日本人くらいしかラーメンを食べる人がいないのが普通な感覚からいってカルチャーショックだった。

     最近は「日清」のカップラーメンや明星ラーメンなどのインスタント麺が世界中に広がってきているので家庭での手軽な臨時料理にはラーメンが浸透しつつあるが、外食でラーメンを食べる習慣はラテンアメリカ人にはほとんどない。
     それがパナマでは、まず町で見つける大衆食堂の8-9割は中国人がやっており、チャーハンと焼きそば、ラーメンは大抵のところで置いてあるのだ。 昼食時間に一般大衆食堂に行くとパナマ人10人に一人はラーメンをつるつると食べており、白人も入れば黒人もいるのだ。 そしてラーメンを食べに入った食堂で、太った黒人が汗をかきながらラーメンをすすっているのをみると、なんか自分の聖域を犯されているような複雑なジェラシーを感じることがある。もしかしたらパナマ人はパラグアイ人よりも文化水準が高いのだろうか...........つい悩んでしまう。
    <パナマのラーメン事情>



    宗 教

     パナマでは他のラテン諸国同様カトリック教が伝統的にパナマ人の宗教であるが、アメリカ人のもってきたプロテスタント派の教会も多く、ユダヤ人はユダヤ教の教会、インド人は山の上にヒンズー教の大きなお寺を持っており、その他バハイ教のお寺、イスラム教のムスク、そして創価学会の施設など、民族に合わせた数の宗教が堂々とそれぞれのアピールをしている。 パナマ人を食事に誘う時はまず、宗教を聞いて食べられるものと食べられないものの確認をとったほうがよい。 たとえば、ユダヤ系、イスラム系の場合は、豚肉はだめ、牛肉、鶏でも宗教的な屠殺方法で処理された肉しか食べない人間も多い。インド系は牛は聖なる動物なので食べない。 また、ユダヤ系、インド系、そしてアメリカ人には菜食主義者も多いし、お酒を禁止するプロテスタント派のクリスチャン信者も多いので考慮する必要がある。


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